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こんばんは、稲海です。


D&G公開以来だいぶご無沙汰しています。また短編ノベルゲームに手をつけて細々と進めてます。気長にお付き合いください。



■同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2019受賞

ありがたくもみなみ様主催の「同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2019」で、拙作「Diva&Gunshot-ウタヒメ ト ジュウセイ-」が「楽部門」「ムービー・動画部門」の2部門で受賞と相成りました。受賞した部門以外にもたくさんの部門にノミネートして頂いて本当に嬉しかったです。どの作品も力作揃いで、この舞台に立てたことだけでも光栄です。「また、楽しんでもらえる作品を届けられるよう頑張ろう」と意欲が湧いてきました。関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。



■新作「日ノ出の鶏」

短編ノベルゲームを製作中です。百鬼夜行に巻き込まれた女子高生×人外の青春お悩み相談ノベルです。なんのこっちゃという感じですがもう少しマシなキャッチコピーを思いついたら差し替えます。大体プレイ時間は1時間半程度、エンドは4つの予定です。ちょっと製作がサボり気味ですが、今年中には完成させて次の大本命に取りかかりたいのでピッチ上げていきたいです。また作り始めたらTwitterの製作日記を書き始めると思います。



■ペンタブを買い換えた

10年前後使ってきたペンタブで戦友と言っても過言ではない道具なのですが、とうとう新しいものに変えました。

ペンタブの芯は日々使っていると磨耗してどんどん短くなっていくので、定期的に交換する必要があります。戦友ペンタブのペンは芯パーツを少しカスタマイズして使っていました。付属していた予備のプラスチックの芯を使い切ったときに見つけた「先端部分が金属のステンレスになっていて耐久性が段違い!」という芯パーツを長らく使っていたのです。ですが、最近どうもかき心地がおかしい気がする……?とよくよく見てみたら先端についていた球状のステンレス部分がまったいらに削れていてギョッとしました。ペン先を交換すれば戦友くんもバリバリ動くので、新しい方をメインで使いつつ、最終仕上げの時には働いてもらうつもりでいます。



■稲海ゲーム製作の流れ

人の制作の裏事情って見るの面白いですよね。皆さんどうやって作ってるんでしょう。


1.全体の雰囲気、ストーリーの落とし所を決める

机に向かって「さあ、考えるぞ!」というよりは、日常生活の中で「こういう話が作りたい」「これだと必要なキャラは……」「最後の締めは……」とぼんやり考えていて、頭の中で「この物語はまとまったな」と思ったものをゲームとして制作し始めます。


2.テキストボックスの作成

テキストボックスと書いていますが、画面全体のデザインについてです。文字をどこに配置するか、立ち絵・背景はどうやって表示するか、などをここで決めます。

これを先に作っておくことのメリットはいくつかあります。

・シナリオが完成すると同時にスクリプトを打ち始められること。

・シナリオが完成した段階で、背景や立ち絵などの素材が全体でどれだけ必要か、大体把握できること。


3.シナリオフローチャートの作成

私は個人製作で誰かに見せる必要がないので、裏紙やスケッチブックに手書きでバッと書きます。ここでシナリオの一塊を1ブロックと数え、作業進捗度を自分で分かるようにしています。好感度の上限やシナリオの分岐条件、エンド数などもここで決めます。


4.シナリオ作成

大体1日1000字程度進めると決めてやっています。とにかく毎日続けることが大事です。あと「あともう少し頑張ろう」はやらないと決めています。次の日の作業が絶対面倒臭くなり、毎日続けられなくなるからです。あともう少し頑張るくらいなら、諦めて寝た方が最終的には早く完成すると思います。


5.背景作成

2で作ったテキストボックスに合わせて背景を全て揃えます。


6.スクリプト仮打ち

2.テキストボックスと4.シナリオ、5.背景をスクリプトに打ち込んでいきます。ここでBGMや効果音などの演出も打ち込みます。立ち絵やスチルなどはまだここではありません。この順番で仮打ちするのがいいのかどうか分かりませんが、以下メリットだと思っていることです。

・必要立ち絵、スチルの枚数を吟味できる

・ひとまず形にすることで演出やストーリーの違和感に気付きやすくなる

・立ち絵・スチルを差し込む際にまたスクリプトをなぞり直すので違和感の修正が出来る


7.立ち絵、スチル、アイテム等イラスト素材作成

とにかく手を動かします。1日に進める作業量を決め、必要素材のリストを一つずつ潰していきます。


8.立ち絵、スチル、アイテム等イラスト素材をスクリプトに差し込む

7.立ち絵、スチル、アイテム等イラスト素材作成が終わり次第、6.スクリプト仮打ちに差し込んでいきます。この作業が終わるともうほぼ完成です。


9.ギャラリーや設定画面、タイトル画面などの調整

ゲームの細かい部分を調整していきます。気合を入れて素材を作ることもあれば、デフォルトの機能、デザインで済ませることもあります。大抵タイトル画面はこの段階で作ってます。ここまで白紙のことが多いです。


9.5デバッグ

完成したことが嬉しくて、何度も繰り返しプレイします。


10.動画作成

立ち絵やゲーム本編で動画に使えそうな素材を探しつつ、動画用の素材を新しくかいたりします。動画編集自体は結構夢中で作業するので楽しいです。


10.5最終調整

動画の差込みや立ち絵の種類など気になる部分を調整します。


11.テストプレイ依頼

誤字脱字、話の違和感などをテストプレイした方に聞いて反映させます。いつもありがとうございます。


12.公開

公開です。応援してくださった方、感想くださった方、プレイしてくださる方、何もかも感謝です。ありがとうございます。



○ゲーム製作中ずっとやっていること、心がけていること


・BGM探し

ずっとやってます。気になるBGMはとにかくストックしておきます。「いい!」と思ってもいざシナリオを合わせてみると「何か違う……?」と思うこともたくさんあるので、そうなるとまた探しなおします。多分完成までずっとやってます。あと「この曲はこの場面で絶対流す!」と思うとモチベーションも高くなります。


・やることリスト作成

とにかくやらなくちゃいけないと思ったことは全て適当な紙に書き出し、終わり次第ばつ印をつけて消していきます。「やることリストを毎日一つずつ消していく」と決めると、「今日は何をしよう……」「どこまでやろう……」とか考えずに手を動かし「今日は終わり」とスパッと区切りがつくのでかなり自分にあったやり方だと思います。


・睡眠最優先

寝ないと死にます。



思った以上に沢山書いてしまいました。

それでは。







こんにちは、稲海です。

D&Gを公開してから、もうすぐ三ヶ月が経ちます。随分長い間、ほぼ毎日D&Gの作業を続けていたので、やることがなくなった今、スッキリしたような物足りないような気持ちです。まあ結局何か別の絵をかいたりなんだり、ゲーム製作でなくても創作っぽいことはコツコツやってます。


プレイ、感想、レビュー等本当にありがとうございます。製作者に声をかけられると圧を感じるのではないかと静かにしていますが、ネットに上げられた感想等ほぼ全て見つけていると思います。血眼です。

今回頂いた感想を見ていると、【自分が作りたかったもの、作りたかった雰囲気のもの】をきちんとプレイヤーの方々に届けられたようでとても嬉しかったです。一人でのめり込んで作っていると、どうしても細かい部分に目が行きがちです。気が付かないうちに大きな部分での作品の方向性がずれてしまった時、軌道修正することはとても難しいと感じているので、今回は初志貫徹出来たと自信になりました。何はともあれ完成して良かったです。



■作品製作しながら考えていることの話


以下「作品製作について」という名の自分語りです。読まない方が素直に作品が楽しめるかもしれません。

今までに4本(+限定公開1本)のゲームを公開してきました。ありがたくも複数作プレイして頂いた方から「雰囲気の全然違う作品を作る作者」という評価を時々もらいます。こう思ってもらえるのものすごく嬉しいです。ありがとうございます。

私がゲームを作る時、それぞれの作品の雰囲気をかなり意識してずらしてます。何故、と言われると、自分でもその理由に上手く形を与えられていないのですが、多分これが理由なんじゃないか、というものをいくつか上げます。


・自分の過去作と比べられたくない。

例えば、私が新しく「籠の街」と同じような作品を作ったら、二つの作品の出来を比べられると思います。「この作者のこっちとこっちだったら、こっちだけやっとけばいいよ。作者の雰囲気似てる作品の中で一番うまいまとまり方してるから」というような評価を出来ればされたくないのが一点。ただ実際のところ、ファンは「作者」ではなく「作品」に出来るものだと思います。作り手はファンの「もう一度似たような作品をプレイしたい!」という欲に応えた方が、双方win-winな関係なんじゃないかと最近思いました。が、多分私はやりません。自分のプライドでがんじがらめなので、多分出来ないです。


・作者の輪郭を掴ませたくない

まあこれは私がそう思ってるだけで、プレイヤーの方々には私の思想の輪郭、ものの考え方は大概バレているんじゃないかと思います。作品には作者が出ます。これはもう絶対です。でも私は、出来れば作品から「私」を読み解いて欲しくないと考えています。なので、わざと作品の雰囲気を優しいものだったり悪趣味なもの、娯楽ものにずらしています。「籠の街」→「幸福の塔」はそれが顕著です。特に「籠の街」は作者の思想が出過ぎました。頂く感想の中に「作者の方は〜」という文を何度か見かけ、「『私』が読み解かれてる!」という猛烈な恥ずかしさと「『籠の街』は私の一面であって、この作品だけが『私』じゃない!」という焦りのようなものがあった気がします。もちろん、感想を頂くと飛び上がるほど嬉しいですし、作品はプレイして頂いて完成するものです。私がネットにゲームを公開し、誰かにプレイしてもらった瞬間から「私の作品」ではなく「プレイヤーの作品」になると思っています。ここで言う恥ずかしさとは、「感想」に対してではなく「自分の未熟さ」に対してです。

話が逸れました。そうした「作品から見えてしまう私」への反省点から、「幸福の塔」では「作者の姿が見えない」状態を目指し、主人公の感情の揺れが極端に少ない、何を考えているのか分からないという形で反映されているような気がします。


・自分の限界を測っている、自分の持つ「物語のテンプレ」を試している

自分がどこまでのものを作れるのか、何が苦手で得意なのか色々と試しています。わざとジャンルを変えてやったことのないものに挑戦しています。とは言っても全部ノベルゲームなので「違うものに挑戦している」という言い方は正しくないかもしれません。

何回かやっていて、「自分は『物語の型』を持っている」と思うようになりました。「テンプレ」「お約束」「王道」と言いかえてもいいです。「テンプレ」が一番しっくりくるかもしれません。私の物語は、全て「どこかで読んだことがあるような話」だと思います。良く解釈するのなら「王道の起承転結を踏んでいる話」でしょうか。「こういう物語を作りたい」と思った時、自分が持っている「物語のテンプレ」に異なる要素を当てはめることがどうやら得意らしいなと思いました。どうも私が持っている「物語のテンプレ」は一つだけ?のようなのでもっとインプット増やさないと手持ちの「物語のテンプレ」の種類は増えてくれないような気がします。それを試すために、わざと違う雰囲気の題材に手を付けているのはあると思います。


以上、今の自分が思う「わざと違う雰囲気の作品」を作る理由でした。

勢いのままに書いたので、読み直したら恥ずかしさの余り消すかもしれません。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


それでは。


おはようございます。

稲海です。明けましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


《新作公開について》

昨年、年越し前ギリギリになんとか、新作「Diva&Gunshot-ウタヒメ ト ジュウセイ-」公開しました。


Diva&Gunshot-ウタヒメ ト ジュウセイ-


ありがたいことに、クリアした方がすでにいらっしゃり感想も頂いてます。長い間私一人で抱え込んでいましたが、ようやく完成して手を離れた実感が湧いてきました。何はともあれ、無事に完成したこと、楽しんでいただける人の手に渡ったこと、とても嬉しいです。関わってくださった皆さま、本当にありがとうございます。気持ちがもう少し落ち着いたら、あれやこれや裏話的な記事も書きたいです。



《次回作について》

Twitterでチラッと呟きましたが、幸福の塔の1000年後の世界が舞台の「Sol.Cell / A memoir」制作を今年中に開始したいと思っています。全体の枠やエンドはほとんど決まっているので、あとはひたすら細かく話の筋を肉付け、調整して作っていきます。上にいる悪人ヅラの赤髪が主人公です。ちょっと悪い顔にかきすぎましたが、まあ大体あんな感じです。内容としては、気の強い女たち(+α)と信念をぶつけ合い、戦友になるノベルです。なんのこっちゃという感じですが、上手いキャッチコピーが思いついたらまた差し替えます。貴族社会の少年少女が、大切なものを守るため、国の動乱に立ち向かう話です。主人公は2人、エンドは5つ(BADEND除く)です。

気長にお付き合いください。


ひとまず、気がすむまで休憩と息抜きしたいと思います。


それでは。

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