top of page

近況



こんにちは、稲海です。

D&Gを公開してから、もうすぐ三ヶ月が経ちます。随分長い間、ほぼ毎日D&Gの作業を続けていたので、やることがなくなった今、スッキリしたような物足りないような気持ちです。まあ結局何か別の絵をかいたりなんだり、ゲーム製作でなくても創作っぽいことはコツコツやってます。


プレイ、感想、レビュー等本当にありがとうございます。製作者に声をかけられると圧を感じるのではないかと静かにしていますが、ネットに上げられた感想等ほぼ全て見つけていると思います。血眼です。

今回頂いた感想を見ていると、【自分が作りたかったもの、作りたかった雰囲気のもの】をきちんとプレイヤーの方々に届けられたようでとても嬉しかったです。一人でのめり込んで作っていると、どうしても細かい部分に目が行きがちです。気が付かないうちに大きな部分での作品の方向性がずれてしまった時、軌道修正することはとても難しいと感じているので、今回は初志貫徹出来たと自信になりました。何はともあれ完成して良かったです。



■作品製作しながら考えていることの話


以下「作品製作について」という名の自分語りです。読まない方が素直に作品が楽しめるかもしれません。

今までに4本(+限定公開1本)のゲームを公開してきました。ありがたくも複数作プレイして頂いた方から「雰囲気の全然違う作品を作る作者」という評価を時々もらいます。こう思ってもらえるのものすごく嬉しいです。ありがとうございます。

私がゲームを作る時、それぞれの作品の雰囲気をかなり意識してずらしてます。何故、と言われると、自分でもその理由に上手く形を与えられていないのですが、多分これが理由なんじゃないか、というものをいくつか上げます。


・自分の過去作と比べられたくない。

例えば、私が新しく「籠の街」と同じような作品を作ったら、二つの作品の出来を比べられると思います。「この作者のこっちとこっちだったら、こっちだけやっとけばいいよ。作者の雰囲気似てる作品の中で一番うまいまとまり方してるから」というような評価を出来ればされたくないのが一点。ただ実際のところ、ファンは「作者」ではなく「作品」に出来るものだと思います。作り手はファンの「もう一度似たような作品をプレイしたい!」という欲に応えた方が、双方win-winな関係なんじゃないかと最近思いました。が、多分私はやりません。自分のプライドでがんじがらめなので、多分出来ないです。


・作者の輪郭を掴ませたくない

まあこれは私がそう思ってるだけで、プレイヤーの方々には私の思想の輪郭、ものの考え方は大概バレているんじゃないかと思います。作品には作者が出ます。これはもう絶対です。でも私は、出来れば作品から「私」を読み解いて欲しくないと考えています。なので、わざと作品の雰囲気を優しいものだったり悪趣味なもの、娯楽ものにずらしています。「籠の街」→「幸福の塔」はそれが顕著です。特に「籠の街」は作者の思想が出過ぎました。頂く感想の中に「作者の方は〜」という文を何度か見かけ、「『私』が読み解かれてる!」という猛烈な恥ずかしさと「『籠の街』は私の一面であって、この作品だけが『私』じゃない!」という焦りのようなものがあった気がします。もちろん、感想を頂くと飛び上がるほど嬉しいですし、作品はプレイして頂いて完成するものです。私がネットにゲームを公開し、誰かにプレイしてもらった瞬間から「私の作品」ではなく「プレイヤーの作品」になると思っています。ここで言う恥ずかしさとは、「感想」に対してではなく「自分の未熟さ」に対してです。

話が逸れました。そうした「作品から見えてしまう私」への反省点から、「幸福の塔」では「作者の姿が見えない」状態を目指し、主人公の感情の揺れが極端に少ない、何を考えているのか分からないという形で反映されているような気がします。


・自分の限界を測っている、自分の持つ「物語のテンプレ」を試している

自分がどこまでのものを作れるのか、何が苦手で得意なのか色々と試しています。わざとジャンルを変えてやったことのないものに挑戦しています。とは言っても全部ノベルゲームなので「違うものに挑戦している」という言い方は正しくないかもしれません。

何回かやっていて、「自分は『物語の型』を持っている」と思うようになりました。「テンプレ」「お約束」「王道」と言いかえてもいいです。「テンプレ」が一番しっくりくるかもしれません。私の物語は、全て「どこかで読んだことがあるような話」だと思います。良く解釈するのなら「王道の起承転結を踏んでいる話」でしょうか。「こういう物語を作りたい」と思った時、自分が持っている「物語のテンプレ」に異なる要素を当てはめることがどうやら得意らしいなと思いました。どうも私が持っている「物語のテンプレ」は一つだけ?のようなのでもっとインプット増やさないと手持ちの「物語のテンプレ」の種類は増えてくれないような気がします。それを試すために、わざと違う雰囲気の題材に手を付けているのはあると思います。


以上、今の自分が思う「わざと違う雰囲気の作品」を作る理由でした。

勢いのままに書いたので、読み直したら恥ずかしさの余り消すかもしれません。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。


それでは。

最新記事

すべて表示

近況+α

こんばんは、稲海です。 D&G公開以来だいぶご無沙汰しています。また短編ノベルゲームに手をつけて細々と進めてます。気長にお付き合いください。 ■同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2019受賞 http://southerncross.sakura.ne.jp/of_the_Year/2019.htm ありがたくもみなみ様主催の「同人ゲーム・オブ・ザ・イヤー2019」で、拙作「Diva&Gunshot-ウ

bottom of page